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「並木藪蕎麦」
(なみきやぶそば)
1913年(大正2年)創業

評価 ★★★★★
住所 台東区雷門2-11-9
Tel.

03-3841-1340

最寄り駅

都営浅草線浅草駅、営団銀座線浅草駅

アクセス 浅草寺雷門を南下約150m西側
営業時間

11時半〜19時半、木休

席数

40席

駐車場 なし
最終訪問

2000.01.10(初囘訪問1992年1月)

マンガ「美味しんぼ」でも紹介された「並木藪」のツユは東京一、ということはつまりのところ日夲一。此処のツユを知って初めて「蕎麦を喰う時にはツユは先っちょに一寸だけつけて一気にすすり込むものだ」という意味が判った。蕎麦を薄いツユにどっぷりとつけてしまうと肝心の香りが飛んでしまうのでほんのちょっとつけるだけで味が出る、確かにこの位の濃さが一番いいと思える。まあ私は夲当に美味い蕎麦はツユをつけずに喰うことが多いのであんまり関係ないといえばそれまでなのだが。

鴨拔き

天拔き


酒は菊正宗の樽酒で添加アルコール臭く全然大したことはないけど、これのアテにして欲しいのが「鴨拔き(冩眞上左)」。冬場(11月〜3月)しかやっていないのだがこの汁と鴨の味の取り合わせが絶妙、マズい酒でも此の「鴨拔き」があると思うとついつい飮んでしまうのが不思議なところ。で、その中にたったひとつだけ入っている鴨のつくねがこれまた美味い。このつくねを食べるために「鴨拔き」を注文している、と言っても過言ではない。私は此処では「鴨拔き」をアテに酒を飲んでそれから「もり」を2枚注文。一枚はツユに浸けずに蕎麦とツユを交互に楽しみ、二枚目でツユとともに啜り込むのを楽しんでいる。「鴨拔き」の無い季節は「天拔き(冩眞上右)」にするのだがこれまたツユを吸ったかき揚げの衣が絶妙の肴となり、酒が進む。

もりそば650円。裏返した笊に載せられて出てくる。量はかなり少ない。


この店の難点はいつ行っても混んでいて、落ち着けない亊か。まあ蕎麦屋でゆっくり落ち着いて、なんてえのは江戸つ子から言わせてみれば野暮極まりないんだろうけど。あとこれだけの客を切り囘すのだから仕方無いところかも知れないが、蕎麦の味に結構ばらつきがある樣に感じられるのが殘念。忙しい時間帶には「天拔き」も「鴨拔き」も作ってくれないのもちと淋しい。(2001年頃記亊)

【追記】
さて、此の「並木藪蕎麦」、私のペーヂの他の店の記亊も読まれたならば、評価「☆☆☆☆☆」について疑問に思われる方もおられるかも知れない。
そう、他の店は全て「ニユーウエーヴ」と呼ばれる独自路線で蕎麦を極めるタイプ。蕎麦のみならづ酒やそのアテ、それに店構えや雰囲氣等、全てにわたって妥協を許さぬ世界觀が作り上げられているこだわりの面々だ。それに對し「並木藪」はツユこそ他に比肩し得る店が無い程の出來映えではあるが、酒は菊正宗だし蕎麦は機械打ちだし、更には禁煙でもない。(他の☆☆☆☆☆の店は分煙・非喫煙者優先の「千寿竹やぶ」以外全店禁煙)
また肝腎の蕎麦自身に関しても、此処より美味い他の店が總合評価で☆☆☆や☆☆☆☆に甘んじているのも亊實である。

確かに、「並木藪蕎麦」に對しては私の個人的な思い入れが強く存在する亊を否定出來ない。
まだ蕎麦を喰い始めたばかりの1992年3月、東京に來る機會があつたので「夲場の蕎麦」を求めて神田の似た樣な名前の某店に行き、「夲場の老舗でもこんな程度の味なのか?」と落胆した私が翌4月、関西に歸る前に初めて出逢つた、人生で初めての「夲当に美味い蕎麦」が此処「並木藪蕎麦」だったのだ。

此のカルチヤーシヨツクは大きかつた。
男にとつて初恋の女性が一生涯特別な存在であるのと同ぢで、私も「並木藪」について他の店と同樣に冷徹な觀察眼を以て評価することは、これから先も到底不可能ではないかと思われる。

・・・こういう店は、誰の心の中にもあるのかも知れない。
そして、そんな思い入れで評価してしまった店が此のペーヂの中に一軒くらいあることを、どうかお許し頂きたい。

主なメニュー:もりそば650円、かけそば650円、天ぷらそば1600円、鴨南蛮1700円(11月〜3月末)
酒:菊正宗(樽酒)

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