|
地元の畑で栽培した蕎麦を水車で挽き、近所のオバちやん逹が持ち囘りで打つ蕎麦屋。
その情緒に惹かれてか、訪れる觀光客が後を絶たない。休日の昼時なんぞは行列必至である。
しかし、所詮は素人仕亊の域を出ていない。(素人のオバちやんが打つてるんだからアタリマヘなんだが)
田舎のお宅を訪れたときにでも「まあまあ遠〜〜いところをよう來んさった。こんなもんしか無いけどた〜んと食べて行きなし。(方言は不正確)」とお婆さんが持つて來た、とかいうシチユエイシヨンなれば有難く頂こうもんだが、とても行列して、しかも金を払ってまで喰いたいと思えるものではない。
つなぎ無しの蕎麦粉100%で打たれた「ざるそば(冩眞下左)」は、季節柄香りが立たなかったのは仕方無いとしても、もっさりとして喉に詰まる。当然ながらツユの方もかえしがなっていないしダシもダメ、ぺなぺなで弱っちい。
あと此の店の人氣商品として、蕎麦より早く売り切れてしまう「おやき(冩眞下右)」もある。普通「おやき」というと中に何か具が包まれているものを想像するのだが、此処の「おやき」はただ蕎麦粉をこねただけのものを中に何も入れづに燒いてある。一応、表面には味噌が塗られているものの、全体のボリウムに比して味噌の量があまりにも少ない。蕎麦の香り立つ季節ならいざ知らず、そうでない季節に食したら味がするのは味噌のついた部分だけで、殘りの大部分はまるで粘土のかたまりでも喰ってるみたいに「もそもそ」した食感があるのみで美味くも何ともない。
酒の「大雪渓」も大吟醸なんかは結構私の好きな部類なのだが、此処に置いてある本醸造は薄くてベシヤベシヤして添加アルコール臭く、出來が惡い。
 |
 |
ざるそば800円
|
おやき200円
|
冩眞をクリツクすると大きく表示されます。価格はいずれも最終訪問時のもの
|
「いがや」の蕎麦はその日の打ち手によって味が大きく変わる、ということだが、私はわざわざ乗鞍くんだりまで來て、その樣な不確定要素に貴重な旅先での一食分を費やしたくはない。
これらの面に全て目をつぶり、「地元産の蕎麦粉」を「水車で挽」いて「地元のオバチヤン逹」が打つ「蕎麦粉100%」の蕎麦に郷愁を感ぢることの出來る人だけが此の店の蕎麦を十分に樂しめることだろう。
餘談ではあるが此の店は所謂「村おこし」として自治体主導で出來た、と聞いたことがあるのだが、安曇村のホームペーヂに「そば処いがや」の文字は無い。不思議に思って調べてみたら、「村営」ではなく「区営」であつた。白骨・乗鞍にある區營施設6軒からなる「 安曇村・大野川区営企業株式会社」なる會社組織があり、そこの經營の樣だ。
|
|