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「蕎麦 あきしの」
(そばあきしの)
初訪時、紅葉が綺麗であった

1999年7月創業
店主;宮坂昭男氏
評価 ★★
住所 岡谷市長地2207-4
Tel.

0266-27-9000

最寄り駅

中央本線下諏訪駅から約3km

アクセス R20長地交差点を県道14号に入り南西へ。横河川を渡る手前の堤を左折すぐ
営業時間

11時半〜15時(売切閉店)、
17時半〜20時半(予約或いは電話連絡要)
月、第3火休

席数

26席(座敷4×6+6+12)

駐車場 約11台分
最終訪問

2003.06.01(初囘訪問2000.11.15)

蕎麦屋に限らず美味い店、というものは店構えからしてそれなりのオーラを放っているものである。それは料理人に必要な「センス」に通ずるものであり、一見で入る店を選ぶとき、私はそのオーラを重視している。
しかし、信州の蕎麦屋にはその「センス」を感ぢさせる店がとても少ない。旅先で土着の蕎麦の田舎臭い風情を樂しむ向きもあろうが、どちらかというと職人の技術の粹を味わうのを好む私の樣な人間にとっては少々(かなり)物足りないのだ。

その信州にあって異彩を放っているのがここ「あきしの」である。
それなりに車通りのある県道から横河川沿いに少し入っただけのところに、とても落ち着いた空間を築き上げている。
川の堤を下るとまず目に入るのが東屋と石灯籠(冩眞下)。そこから回り込んでやっと店の入口に辿り着くという演出にはお茶や燒物、そして庭造りまでを趣味とする店主の宮坂昭男氏のセンスが凝縮されている。初訪時の11月中旬には、眞っ赤な紅葉が出迎えてくれた(冩眞上)。

店の玄関に至る手前に東屋がある。凝った演出だ


靴を脱いで座敷に上がる。自宅を改裝したという店は、二間続きの座敷に4人がけの座卓が2脚と6人がけが1脚、そして奥には12人程が入れる広間がしつらえられている。

さて、先づは酒といこう。真澄、神渡、高天と義理堅く地元、諏訪の酒をきっちりと揃えてあるのが嬉しくなる。今囘は「そば前にちょっと茶碗酒」という蕎麦屋で飮む人間の心の琴線に触れるメニウがあったので試してみたが、殘念なことに銘柄を失念してしまった。o(>_<,)o

アテは初訪時には諏訪湖で取れた小魚の甘露煮や手長海老の「諏訪湖三種盛り」というものがあったのだが、今囘はそれが品書きから消えていたので「そば三昧」を注文する。
蕎麦豆腐」、茗荷茸の和えものと來て次の「地鷄つみれ汁」。鷄肉の齒應えを殘したつみれはしっかりとしたコクがあってとても美味い。酒の肴に最適であるし、また飮まない人でも十二分に樂しめる一品なので此処を訪れた際には是非とも注文して頂きたい。

荒挽きなのに空気含有量多くふわりとしした「そばがき」は、ややベタつきが殘る氣もしないでもないが、後口はサラリとして食感良く酒が進む。
初囘に食した「かき揚げ」も少し火が通りすぎ、サクサクを通り越してパリパリし過ぎるきらいはあったがまあ上出來の方ではなかろうか。

ざる850円


さて、酒も進んだところで蕎麦に移ろう。
やや白っぽい印象を受ける「ざる」は2000年11月の初訪時、喉越しこそ良かったものの新蕎麦の季節であったのにもかかわらずやや力不足で香りが足りなかった。蕎麦のシーズンでその香りだったので、再訪時の2003年6月に香りが弱かったのもまあ仕方あるまい。
ツユはベースの鰹ダシがしっかりしていてキレもまあまあ。私の苦手な甘ったるさもなく香りも立つし、かえしもなかなかしっかりとしてはいるのだが、信州の常でやはり少々薄い。しかし、蕎麦自体がそれ程力強い出來ではないのでマッチングとしてはいい方だと言えるであろう。
あと、蕎麦湯が薄かったのはとても殘念であった。

追加で注文した「地鷄南ばん」は非常に上品な味に仕上がっている、と言えば聞こえはいいのだが、ダシこそまあ取れてはいるものの味が淡く全体的にうすらぼんやりした印象である。また、此処の蕎麦は種物向きではないのかのびのび、ブツ切れなのはいただけないので種物用の蕎麦を別に用意する方が望ましい。
どうしても温かい蕎麦が食べたければ「地鷄つけそば」の方だ。こちらは一転、ダシがしっかりしていて鷄の美味さがちゃんと出ている。特に南蛮が好きで好きでたまらない、という人でなければ絶対にこちらをお薦めする。

「そば三昧」の中の一品である「蕎麦雑炊」は見た目の印象とちがって結構塩味が濃く、美味しく頂けた。

風情ある店の、とても落ち着いた空間でゆっくりと酒を飮み、蕎麦を喰うことが出來た。料理に對する基夲的なセンスは持ち合わせているのだから、後は蕎麦に対する造詣をもっともっと深めればとてもいい店になってゆくことだろう。喉越しは合格点にあるので、後は蕎麦の香りをどれだけ出してゆくことが出來るか、今後の飛躍に期待している。
(2003年記亊・各データは最終訪問時のもの)

主なメニュー:ざる850円(おかわり650円)、地鷄つけ1500円、天ざる1500円、花まき900円、地鷄南ばん1300円、地鷄つみれ汁350円、かき揚げ1100円、そばがき600円、手長海老いり煮(季節物)380円、あきしの抹茶600円、そばがきぜんざい800円、そば三昧2500円、夜の宴予約制(四名以上)5000円より 他
酒:そば前にちょっと茶碗酒600円、真澄大吟醸(楽最真)、神渡大吟醸各1500円、高天純米吟醸700円、季節の酒あらばしり春(純米吟醸)700円、冬(本醸造生原酒)600円他

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